青い夢を見た

四畳半の、その部屋の壁はクッションで覆われている。私はモモンガスーツを着て、VRゴーグルを装着した。
スイッチを入れると、VR世界のスポーン地点である、かつて地上にあったという『シブヤ』の『スクランブルコウサテン』にいる。

「3、2、1!」

風に煽られて、身体が浮く。白いシマシマがどんどん遠ざかっていき、周りの建物の屋上が次々と小さくなる。

空というものは青いのだそうだ。地下で生まれた私は、本物の空を知らない。

やがて街が小さくなった。視界の隅に『空』という赤文字が点滅し、周りを見回した。
——空だ。空の青とはこれか。
四畳半の部屋を忘れて、私の乾いた眼に、涙が溢れた。

(了)

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