つつみかくさず

僕の神様は、その手にある白い布でなんでも包んでくれる。

僕がおもちゃを壊したときには、それを包んでくれた。
神様に包まれたものは、誰からも見えなくなる。
だから、パパもママも、僕がそのおもちゃを壊したことを気付かなかった。

僕がサトシ君を傷つけてしまったときも、神様はサトシ君を包んでくれた。
だから、僕がサトシ君を傷つけたことを誰も気づかなかった。むしろ、
「サトシ君?そんな子いたっけ」
とみんなが言った。

僕が好きになったユリアを、神様は包んでくれた。
だからユリアは僕だけのものになった。
ユリア、大好きなユリア……僕だけは覚えているよ。

やがて、僕以外のものが全て包まれた。

僕は静かに、僕を包んだ。

(了)

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