まどろみ、種蒔き、2019

カテゴリ:記録

投稿日:2019-12-30

 

わたしはほぼ毎日、酒を飲む。
だいたい20時ぐらいから飲み始めて24時には寝るので、量は大したことないが4時間くらいは酔っ払っていることになる。

それに対して、絶対に酒を飲まない日もある。
禁酒宣言などではない。原稿締切やイベントの前の数日がそれに当たる。
今年の参加イベントを挙げてみよう。

・5月 文学フリマ
・5月 ゲームマーケット
・8月 ちょこっと文芸福岡折本フェア
・8月 アンソロジー光 原稿締切
・11月 文学フリマ東京
・12月 ペーパーウェル03

6回。平均停酒期間を5日間として、×6回=30日は絶対に酒を飲まない日となる。

ということは、365日-30日=335日が飲酒日。
335日4時間飲んでいるから、一年に換算すると55.83333…日は寝る間も惜しんでぐでんぐでん、残りの310日は終日シラフなのである。

けっこうがんばってるじゃんわたし!!!!
なんか違うような気もするけど、まいっか。

 

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ということで今年の創作関連、振り返りと総括です。

今年の夏、わたしは、《チームなあなあ》のメンバーに言いました。
「んでね、私、一からひとりで作ってみたいのよ。
それは、ぐりこや菊屋さんとやるのがやだってわけじゃなくて
ここまでに少し学んだことと、これから学ぶことを合わせて、ひとりでやってみたいのね」

 

この頃、わたしはけっこう不安定で。
というのも

2018年5月に初出店。
2018年11月を経て、
2019年5月は《幻奏世界》で出店。

WEBサイトの準備、Twitterでの告知、印刷所の選定、手製本の作成、出店申し込み、ディスプレイの準備……
三回のイベント出店をここまで手探りでやってきたんだけども、私には仲間がいたんですよ。

 

WEB系の不安や相談、接客やディスプレイについてはグリモワール君に、作品制作の手順や作品を売ることについての注意点はaiちゃんに、問いかけてました。
ふたりとも、打てば響くように返事をくれた。

 

だから私には、正直に言うと、そこから何かを覚えようという貪欲な勤勉さが足りなかったんだ。
むしろ、ふたりが何かを学んだら、そのおこぼれに預かろうとしていた節があった。

 

5月の文フリが終わって次を考えた時、作りたいものはいくつもあって。
でも、私にはノウハウの蓄積がなかった。
知識として二人から聞いて知ってはいても、どこか他人事な部分があって、薄っぺらで、自分の身になっていないことが自分で解ってしまった。

 

だから、一旦リセットしたくなった。
ちゃんと自分の目で見て、感じて、自分の頭に記憶しなきゃいけないって思った。

 

趣味の同人活動で、『しなきゃいけない』なんてことは必要ないのかもしれないけど、これはわたしのこれからの人生にとってすごく大事なことだと思ったんだよね。

 

(右も左もわからない頃からいろいろ一緒にやってきたグリモワール君が、
「なんのために一緒にやってきたか分かってる?ひとりだと難しいことが沢山あるからだよ?!」
と厳しく諭しながらも、最終的には「必要なときは手伝うから」と言ってくれて、わたしが参加したアンソロを買いにコミティアまでお遣いにいってくれたりと、おとうさんのように見守ってくれたのが嬉しかったです。
この場を借りて、心からありがとう。)

 

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そんな中で生まれた企画が、
『あなたとわたしをつなぐ本』
でした。
一冊のみ頒布、という企画は、多分グループ思考でいたら生まれなかったと思いますし、わたしの望みを満たしてくれるものでした。
(詳細はこちら→‪あなたとわたしをつなぐ本 1作目を終えて | 燐灯書庫

 

そんなわけで、ひとりで文学フリマのブースに座り、ちゃんとお客さんに向かいあってみて、出店者の皆さんがおっしゃる
「POP」
とか
「配置と目線の動き」
とかも、やっと体感して。
この本には目線が止まるけど手を伸ばすまでいかない、とか、POPは見てるけどそこまで、とか。
自分がお客のときを鑑みて、なるほどなあ、と思って。

ものを作ることと、それを頒布すること、わたしにとっての頒布の意味、などもまた、方針を更新することになりました。

 

ちょこっと文芸福岡の折本フェア(‪ちょこっと文芸福岡 折本フェア&ブックカフェ | 燐灯書庫 )や、ペーパーウェル03(ペーパーウェル03 | 燐灯書庫 )への参加で、広報や宣伝についても少し考えることができました。


普段あまり交流のない書き手さんと感想をやりとりしたりすることで、他の方がどんな風に創作をしているのか、知ることもできました。

 

10月の、『作者と行く【フワつく身体】聖地巡礼』も、すばらしい交流企画だった。(※言い出しっぺは私だったけど、セッティングは作者のすと世界さんがやってくださった)

すと世界さん作の【フワつく身体】という90年代を舞台にしたミステリー小説に出てくる実際の土地、渋谷を巡り、執筆時の資料を拝見しながら、様々なエピソードをお聞きしました。
作者のすと世界さん含む読者の皆さんは歴史に造詣のあるかたばかりで、
「同じものを見るのにもこれだけ視点と知識が違うんだ!」
という驚きに、モチベーションがあがりました。
ひとことでまとめると、《同人ブラタモリツアー》。

 

企画といえば、【アンソロジー光】も得たものが大きかった。
70名弱?の大所帯でしたが、『アンソロジーという場』が作品の寄稿にとどまらない、面白い運営でした。
おそらく主宰の綿津見さんは、丁寧な対応に心を擦りへらされたのではないかと思うのですが、参加者側としてはとても楽しく、しかも素敵な本までありがとうございます!!という気持ちです。
とにかくわたしには真似のできない、凄い運営だった。

 

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私の不安定な、頭でっかちの身体に体験が肉付けされて、生まれる安定。
そこで得られるものは小さな自信であり、それが積み重なって『わたし』が形作られるのだろう、と思います。

だから、来年もいろいろやりたい。
ちゃんと種を蒔いて、育てて、収穫を目指したい。

ずいぶんと前向きではありますが、
多少の酔った勢いもあるっちゃありますが、
宣言でもしておかないと何も自分に残らないのではないかという恐怖(怠惰な私にとってそれは実際に恐怖です。ただ歳をとっただけ、になるのは怖い)に後押しされて、来年への覚書としておきます。

 

今年出会えたみなさま、
ずっと親しくしてくださっているみなさま、
影から見守って/面白がってくださるみなさま、
苦しくも楽しい一年でした。ありがとうございました。

また来年も、ぐだぐだとやっていけそうな目処が立ちましたので、どうぞよろしくお願いします。

 

2019.12.29 燐果

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