とめどなく。

早くしないと、電車が来てしまう。
ねえさま、とわたしは言って、前を歩く制服の腕をつかんだ。
長い髪が私の手をくすぐった。

「ねえさまは、わたしが純血のエルフでなくても……愛してくれたの?」

ねえさまは振り向いて、少し驚いたように、そして少し微笑んで、口を開いた。
そのとき。

『3番ホーム、特急が通過します。ご注意ください』

アナウンスとほぼ同時に、永遠のように長いクラクションの音。
がたんがたん、がたんがたん。
つややかな唇が、ただ、動いていた。

聞こえない、と言えばよかった。
でも。
わかってしまった。

「……わたしは、ねえさまの人形です」

うなずいて、目を伏せた。

(終)

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