勇者ものがたり

僕は勇者だ。
村を焼いた魔王を倒すため、北へ向かって旅に出た。
「あっ、オオカミだ!」
唸りを上げるオオカミに剣を振り上げ、叩き斬る。
経験値がひとつ上がった。
僕は森を抜け、砂漠をゆく。

突然、遺跡のレンガが人型に積み上がり、近づいてくる。
「あっ、ゴーレムだ!」
僕は呪文を唱えた。
ゴーレムはただの土塊になった。
僕は砂漠を抜け、街へ着く。

『お兄さん、薬草は要らないかい?』
おやじが話しかけてきた。
「いらない」
答えると、
『なんだと!俺の薬草を買え!!』
おやじが暴れ出した。
僕は舌打ちをしておやじのページを破り、新しいページにペンを走らせる。
『おにいさん、薬草はいかが?』

僕は勇者だ。旅を続けなければならない。

(了)

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