されど日々は過ぎて

秘密を作った。 彼女が「ねぇ、」と切り出せば、それは誰にも《秘密》の《秘め事》なのだった。   僕が彼女と同じ会社にいるのはあと1ヶ月だから、こうして毎晩のように何処かへ出かけて《秘め事》を…

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大抵のことは愛でカタがつく。【2】匂い

「例えば?」 僕はグラスを磨きながらセツに尋ねた。 彼はカウンターに座って、いつものように頬杖をつき、左手の爪を眺めながら答えた。 「玉」 「ほう、ほう、なるほど。理解した。じゃあね、……ま、ま、ま……

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踏み出すのは足、繋がるのは… 【後編】

祭りの会場から離れても、商店街には紅白の提灯が並んでいる。 マコは田端と歩きながら、そこに書かれた店や会社の名前を、一つずつ眺めていった。 「どうして赤と白はめでたいのかしら」 「さあね……赤なんて、…

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踏み出すのは足、繋がるのは…【前編】

駅前マンションのエントランスから出てきたマコは、通りの祭囃子にため息をついて、もうすぐ夫となる人の手を握りなおした。 彼はマコの不機嫌そうな顔に気づき、背を丸めて覗きこむ。 「どうしたのマコちゃん?」…

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