火星生まれ、温室育ち

2018-07-29

「お兄ちゃんのバカ!あたしだってスパー…スパーゲッティー?ぐらいできるもん!!」 「なんだよ!作れるならやってみろ!!」 妹はフライパンを投げた。 くるくると回って飛んでくるそれを僕は避けた。 フライパンは回り続けて運良(続きを読む)


されど日々は過ぎて

2018-07-24

秘密を作った。 彼女が「ねぇ、」と切り出せば、それは誰にも《秘密》の《秘め事》なのだった。   僕が彼女と同じ会社にいるのはあと1ヶ月だから、こうして毎晩のように何処かへ出かけて《秘め事》をしたとしても、せいぜ(続きを読む)


【感想と覚書】FAR:LoneSails(ネタバレあり)

2018-07-16

あらたな人生の船出、と言う。 大抵は結婚式で使われる言い回しだ。 結婚式でその言葉は、 「今までは一人、これからは二人」 という文脈で使われる。 そこには、人は生まれた時から船に乗っている、という前提がある。 幼い頃には(続きを読む)


添いとげる理由

2018-07-07

「ねえ、約束覚えてる?」 妻が言った。 「……ああ、覚えてるよ」 「若かったわ」 「後悔、してるのか?」 「……愛してるわ」 妻は目を伏せた。 「僕だって愛してるさ、だからこの家を買った、50年もローン組んで」 彼女は首(続きを読む)


《ラストフライト》初飛行?!

2018-05-07

文学フリマ東京(2018年5月6日開催)にて、創作ユニット《ラストフライト》が初飛行(?!)しました。 今日のご紹介、できたての版をちょっとだけお見せできるようになりました!『狐火の唄』ラストフライト(絵・アイ 文・燐果(続きを読む)


文学フリマ、終了!

2018-05-06

本日、燐灯書庫にお立ち寄りいただきましたみなさま、ありがとうございました! 一同とても嬉しく、次回の構想を話し合っておりました。 またの活動の告知やご報告はこちらのサイトで行いますので、時々覗いていただけたら幸いです。


ラストスパートにケツを叩いてる。

2018-05-04

文学フリマ東京まで、あと二日。 メンバーとワイワイやりながら、フォロワーさんの応援をいただきつつ、やっとここまで来れました! 楽しい!けど緊張する!! 幻奏世界の出し物二つは準備が終わっていますが、ラストフライト「最終便(続きを読む)


よくある光景

2018-04-07

食卓越しの二人の顔は、渋かった。 「父さんは反対だ。人間界なんて、そんな野蛮で危険な!」 それを制するように、母は私へ訊いた。 「どうしても、行きたいのね」 私は頷く。 「海の生活が嫌いなわけじゃないの、でも、ずっと陸で(続きを読む)


文学フリマ東京に参加します!

2018-04-07

GW最終日、文学フリマ東京に出展します。 11月は眺めるほうだったけど、半年後には頒布側で参加できることになりました。 たのしみ〜 今回はカレー食べたい 「文学」ってついているので気後れするかたもいらっしゃるかもしれませ(続きを読む)


すきだった春がつらい

2018-03-26

春めいて、桜が咲いて、風が生ぬるくなってきました。 去年…いや、一昨年辺りまでは春が待ち遠しくて、木の芽が見えると「春だー!」 花が咲くと「春だー春がきたぞー!!」 と、それはもう、庭を駆け回る柴犬のように気分がよくなっ(続きを読む)