今日を纏う
2020-11-07猛者の巣窟、と呼ばれるこの無法地帯《クロスデルタ》にも高級なレストランはある。《ティアドロップス》もそのひとつだ。 「なぁイェヌス、私はスーツを持っていないんだが、となると、やはり軍服で行くべきかな……」 竜人のトゥバン(続きを読む) |
「私」の「鍵」
2020-06-06うっかり、私は私の鍵を失くしてしまった。 困った。 私を開けて中を見れば、記憶を確認できる。しかし、鍵を失くした今、ここ一年ほどの記憶が開けられない。 軽快な着信音が響く。スマホを見ると男の名前が表示されている。(続きを読む) |
保護中: 【閲覧終了】あなたとわたしをつなぐ本 -赤- 3話目
2019-11-15この投稿はパスワードで保護されているため抜粋文はありません。 |
保護中: 【閲覧終了】あなたとわたしをつなぐ本 ー赤ー 第2話 クリスマス討伐(改稿)
2019-11-14 SF, あなたとわたしをつなぐ本 -赤-, 現代物, 読み物 | この投稿はパスワードで保護されているため抜粋文はありません。 |
青い夢を見た
2019-10-05四畳半の、その部屋の壁はクッションで覆われている。私はモモンガスーツを着て、VRゴーグルを装着した。 スイッチを入れると、VR世界のスポーン地点である、かつて地上にあったという『シブヤ』の『スクランブルコウサテン』にいる(続きを読む) |
夜を掬う —宵闇の、溢れて朝[序章]—
2019-06-24ここは東の最果て。切り立った断崖の遥か下に、白い波が現れては消える。この高さだけをみても、大昔、身投げの名所だったという話は理解できる。ましてや、満月の夜ならばその遺体は人魚に弔われるのだとか、波間に顔を出す海竜の餌食に(続きを読む) |
さよならの黄昏
2018-09-01日課のようだった夕立がいつのまにか無くなって、帰宅の電車内から見える夕焼けは、透明感を増していた。 ムッとする暑さで実感はないが、もう秋なんだろう。 夏は終わった。 これから全てが眠りに向かう。 そう思うと、心なしか乗客(続きを読む) |
火星生まれ、温室育ち
2018-07-29「お兄ちゃんのバカ!あたしだってスパー…スパーゲッティー?ぐらいできるもん!!」 「なんだよ!作れるならやってみろ!!」 妹はフライパンを投げた。 くるくると回って飛んでくるそれを僕は避けた。 フライパンは回り続けて運良(続きを読む) |
夢
2017-05-01見渡すかぎり、赤い砂が続いている。 写真で見た火星の表面のようにその土はからからに乾いて、ところどころ石がある。 小さな窪みに足をとられながら私は歩いていた。 かなりの距離を来たはずなのだが、不思議と疲れは感(続きを読む) |
不本意な覚醒
2017-05-01ヒュウウウウ、パアァン シュルルル、カーン また隣の公園で花火か…俺は目覚めて窓を開けた。 「こら!今何時だと思ってるんだ!!」 ヒュウウウウ、ドカァン シュルルル、ズウゥン ガガガガガガガガガ ギリリ、ギリリ、ガタンガ(続きを読む) |