7月ごんぎつねアンソロ 8月ノベルスキー合同誌「本」 9/30-10/1ペーパーウェル 10/21-22ノベ祭り
ホーム・ページがいよいよホームとなるか否か⭐︎ 2023.7.6

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夜明けの軋み 6話 ふたたび、ふたたび春、萌芽

2018-03-04

桜も玉蘭も散った。 そして、無愛想に枯れたような枝から、柔らかな黄色い芽が顔をのぞかせたと思うと、あっという間に新緑の装いを纏う。 橘は、慣れ親しんだ小夜子の家の庭を思い浮かべながら、整然と区画された紅が丘の街並みに車を(続きを読む)


夜明けの軋み 5話 春ふたたび、玉蘭

2018-03-04

ふと、理人が顔を上げて呟いた。 「桜はまだ咲きませんね」 彼は日当たりの良い廊下で、本を読んでいた。 淹れた緑茶を彼に差し出しながら、小夜子は長いスカートの中で足を崩す。 「今は玉蘭かしら」 「ギョクラン……」 「白木蓮(続きを読む)


夜明けの軋み 4話 冬、梅

2018-03-04

大晦日に降りだした大雪が、外出をためらわせていた。 高台に建つこの家からは、雪に覆われた紅が丘が一望できる。 サニータウンにはまだちらほらと空き地もあるはずなのだが、雪は全てを隠している。 年が明け、三が日の終わりが見え(続きを読む)


夜明けの軋み 3話 秋、鬼灯

2018-03-04

「浴衣って、意外と暑いでしょう?本当はもう少し涼しくなってからの方が着やすいんですけど」 夕方といえど、まだ外は明るく、蒸し暑い。 この和室も、風が抜けるとはいっても吹き抜けるのは熱風、部屋が涼しくなるようなものではない(続きを読む)


夜明けの軋み 2話 夏、カンナ

2018-03-04

受付の混雑がひと段落して、小夜子はふう、と息をついた。 左手をひねって腕時計を見る。12時18分。昼休みの時間をとっくに過ぎている。 売店からパンでも買ってこようか、いつも空いてるうどん屋へ行こうか。けれど、銀行員のよう(続きを読む)


夜明けの軋み 1話 春、桜

2018-03-04

【幻界ゲート】の発見と幻族の流入は、世界を騒然とさせた。 国や地域によっては排斥運動や虐殺まで行われたという。 しかし、日本では時の政府が、少子化問題の切り札として、いち早く幻界融和の政策を打ち出していた。 人口の流出を(続きを読む)


魔捜課は直行直帰です!!〜赤提灯編〜

2018-03-04

「だからあ、武井さんはどぉんな女性が好みなんですか!ってきいてんのぉオレはァ!!」 「飲み過ぎじゃないのか」 「でえじょぶす!!おやじさあん、ちくわぶとばくだんちょうだい!」 瓶ビール一本で楽しそうだな、と武井は穂村を眺(続きを読む)


とめどなく。

2018-03-03

早くしないと、電車が来てしまう。 ねえさま、とわたしは言って、前を歩く制服の腕をつかんだ。 長い髪が私の手をくすぐった。 「ねえさまは、わたしが純血のエルフでなくても……愛してくれたの?」 ねえさまは振り向いて、少し驚い(続きを読む)


農耕貴族 ヴァンパイア鈴木さん

2018-02-03

視望山の麓で野菜作りに精を出す、ヴァンパイアの鈴木さん。 幻界から日本へ移住し、人の生気を吸うことをやめ、農業を始めて8年になる。 産地直売の野菜は、食べると元気が出ると評判だ。 「野菜づくりのコツ? 我は夜にしか畑に出(続きを読む)


【感想】君の名は。

2018-01-25

見ちゃった。 こう、甘くて首のあたりがかゆーくなるんだろうなーと思いながら見始めました。 そんなこともなかった……! 以下、ネタバレありの感想と覚え書きです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あまり事前情報を入(続きを読む)


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